きのこの種類04
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016ヤケアトツムタケ(モエギタケ科・スギタケ属)Pholiota highlandensis ↓ここをクリック
 キノコにはじつに様々な個性がある。発生する場所にこだわるタイプはかなり多いのだが、このキノコはそうした意味での横綱格と言えるだろう。なにしろこのヤケアトツムタケ、名前のごとく焼け跡に発生するのだ! なぜそこでなくちやいけないの?と問いかけてみたくなるほどだ。言うまでもなく、このキノコをさがすポイントはきわめて簡単である。焚き火の跡を探せば良いのだから_しかしながらここでいくつかのコツもある。それはひとくちに焚き火と云っても、何を、どこで燃やしたのかでなかみが異なるということだ。たとえば落葉の焚き火といえば、焚き火の本流かもしれないがこれは気に入らないようである。庭先でゴミなどを燃やした跡は?なんていうのは言語道断。ではどんな焚き火がねらい目かと言うと、ずばり本がたくさんある事、そしてやはり広葉樹の林内がベスト。良く手人れがいきとどいた林内の枝はらいをした木々の焚き火跡などは常に観察しておくと良い。このキノコにかんする資料を集めようとすればするほど、ヤケアトツムタケは良く実態が知られていない事がわかる。中には毒キノコとしている文献もあるぐらいだ。こうなるとわたしは何としてもこのキノコにスポットライトをあててあげたい。じつはこのキノコ、そうした価値観を十分持ち合わせている実力派なのだ。味、舌触り、歯切れの良さは抜群で、エノキタケ<もちろん天然物>に似ている。傘の径は2〜5cm、丸山形から平らに開く。茶褐色で周辺は色濃く大変強い粘性がある。柄は3〜6cm、褐色、繊維状の鱗片がある。春から秋にかけて、繰り返し何度も出る事が多い。いちど発生をみた場所は、雨の降った後などは必ずチェックしておこう!
乾燥しているときはよくゴミや土、燃えかすが付着して洗い落とすのが大変だが、手っ取り早く処理するには粘性で出来た皮をむいてしまうと良い。ただこうなると、粘性がかもし出す舌触りがなくなるので残念。これがヤケアトツムタケの最大の弱点といえるだろう。
 
017タマゴタケ(テングタケ科テングタケ属)Amanita hemibapha(食) ↓ここをクリック
写真左から3番目の写真はタマゴタケの酢の物
 傘の径6〜18cm、幼菌は白い膜に包まれて卵そのもの。やがてこの膜を破って赤橙色の傘が顔を出す。丸山型から平らに開き、赤〜紅色〜黄赤色、周辺部に放射状の溝線がある。ヒダは黄色でやや密、柄に離生。柄は10〜20cm、太さ径6〜25mm、表面は黄色〜橙黄色の地に帯赤色のだんだら状の斑紋があり、上部に橙黄色のツバ、根元に白色のツボがある。中空<夏〜秋、シイ、コナラ、ブナ、モミ等の林内に点々と、しばしば群生する。早いうちに発生し、秋の初めぐらいまでがピーク。この仲間は猛毒種が多いので要注意、傘面にイボはつけてないか、ヒダとツバが白くないかをチェックしよう。タマゴタケの亜種であるチャタマゴタケ、キタマゴタケ等、色ちがいの種もあるが、同定には細心の注意が必要である。近所の公園にこのタマゴタケが毎年のように群生するが、時々けとばされていて、誰ひとり採る人はいないようだ。あまりに美しく、派手な風貌のせいだろうか。ベニテングタケのイメージと混同するためか、ほとんどの人が毒キノコだと思っているようだ。私がタマゴタケを採る時はほとんど公園なので、当然多くの人達の目に止まり、「どうするんですか?」と何度も聞かれた事だろう。そのたびにこのキノコのすばらしさを説明してあげるのだが、今年も採る人はなかったようだ。しかしこのタマゴタケは一級品の食菌なのである。コクのあるダシはチャンピオンクラス、又傘のぬめりある舌ざわりは絶品と言って良い。汁物、鍋物、バターいため、甘酢あえ等が特に美味。ツボはまずいので取り除いで料理する。又、傷みが早いので手早く料理した方が良い。若いものの方が特に茎等はおいしいし、虫の心配もない、老菌はさけた方が懸命と言えよう。(料理法保存方法は多野亮先生のご指導を得ています。)
018ウスキモリノカサ(ハラタケ科ハラタケ属)Agaeicus abruptibulbus Peck(食) ↓ここをクリック
 傘の径5〜15cm、初め卵形から丸山型に開く、のちに平らになる。表面は絹状で白〜淡黄色、手で強く触れると汚黄色のシミになり、水酸化カリ液で黄変。ヒダは密、白色からピンクになり、更に紫褐色へと成長とともに色が変化する。柄は7〜13cm、太さ径10〜15mmで傘とほぼ同色、根本はふくらみ白色。肉は白色、柄の方が黄変性が強く、大きなツバがある。夏〜秋、広葉樹、針葉樹林、竹林等の地上に点々と発生、早いうちから見かける。若い姿は愛らしくもあり、清潔感もあり、良く目立つのですぐに見つけられる。西洋マツタケ(マッシュルーム)の仲間で、肉は吸水性、したがって脂肪質の料理が良く合う。バターいため、天ぷら、フライ、汁物には向かない。
019オウギタケ(オウギタケ科オウギタケ属)Gomphidius roseus(Fr.)Karst(食) ↓ここをクリック
 傘の径3〜7cm、初め丸山型から扁平、又は浅いじょうご状に開く。表面は淡紅色で強い粘性がある。ヒダは疎、初め白色でのちオリーブ色から黒緑色となり、柄に垂生する。柄は3〜6cm、太さは径6〜10mmで中実、上部は白色で不完全なツバがある。下部は薄紅色で根本が細まり、基部はしばしば黄色を帯びる。<夏から秋、松林内地上に点々と発生、ときに群生。>特徴のはっきりしたキノコで、煮ると黒くなる。このキノコはどう言うわけかアミタケと一緒に発生する事が多く、しばしばハツタケも混じえてまるで3点セットのごとく群生する場合もある。茨城県から福島県にかけての海岸付近へ良く出かけるが、アミタケとハツタケの人気が高く、シーズン中の週末ともなるとめっきりこの両者が少なくなった。ところがオウギタケの方はと言うとまるで人気がなく?と言うよりも食べられないものと思われているようで、結果として先の3点セットで発生しながら、本菌のみが取り残されてしまうようだ。又、食べられる事を教えても、採っては見たが煮たら真っ黒になって気持悪くて・・・・等と言った話を耳にした事もある。いずれにしてもあまり理解されてないキノコのように思われる。味の方はと言うと3点セットの勝者はむしろこのオウギタケかも知れない。ぬめりある舌ざわりの良さに加え、ほのかな甘さとこくがあり、汁物や鍋物にはとてもいいうま味のダジが出る。料理の幅においてはまちがいなく上位と言えよう。本菌の兄弟とも言うべきキオウギタケはやや高知に発生するが、オウギタケは平地の人家近くの里山。マツ林にも発生する。そうした面からもまだまだ人気のあるキノコになっておかしくないキノコだ。  
020ヒトヨタケ(ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属)oprinus atramentarius (Bull.:Fr.) Fr. ↓ここをクリック
 株状に群生、又は点々と発生したり、束生したりする。道路の横や草むら、庭地、畑など所かまわず、又春から秋にかけて何回も発生する。傘の径5〜8cm、高さ5〜20cm、はじめ卵形から鐘型となり、傘が開き出すと傘のフチから黒くなり溶けてゆく。(傘が閉じている物でも取ってから時間がたつと黒くなり出す)灰色や、やや褐色をおびるものもあり、周辺部に条溝がある。又、傘の中央に鱗片も見られ肉は帯白色。茎は中空で白色。見た感じはとても食べられるとは思えないがこれが美味。しかも雑草なみに手軽に取れるのも嬉しい限りだ。近所の公園で四月〜十一月までの何度も群生し、多い時は十分程で一kg以上取る事もザラで、当然食べ切れないので、ゆでて塩づけ等にしておき年中利用しているが、このヒトヨタケを食べに来宅する友人も少なくない程である。幼菌は特にクリームシチューが絶品で、マッシュルーム使用のそれとは数段上の旨さだ。私の場合は特に茎が好きで、よくバターいためにするのだが、この歯ごたえのさわやかさはたまらない。クセは全くなく、スキヤキ、ヌタ、けんちん、三杯酢あるいはお吸い物と料理方は多種に向くキノコである。傘が開いて黒く溶けた物でもその部分をカットしたり、又は茎だけ残っている様なものでも利用できる。ただし、酒とも相性は悪いとされているので注意が必要である。特に始めて食べる場合は前後一日程酒を飲まない方が安全。私や仲間達はちなみにそんなことはかまわずおおいに飲んで食べているが不思議になんでもないのは体質や、食べ馴れているせいであろうか?
取ってきた場合は傷みが早いので、スピーディーにゆでて冷蔵庫等に入れておくと良いであろう。

(料理法保存方法は多野亮先生のご指導を得ています。)