■きのこの取り方見分け方 花笠 薫
 きのこに関心はあるが何となくこわい、あるいは取るのがむずかしいと言う人は多い。確かにそれは最もな話なのだが反面そうではないとも言える。良くきのこのつぼは子にも教えないと言われるように、ザラに見つけられないものも多い。だがそれは特定のターゲット、例えばマツタケ、マイタケ、シメジとかに的をしぼった場合であって初心者向きとは言えない。そこでおすすめしたい事は身近に目標を置く事である。公園、神社、近所の林や原っぱ等、散歩コースや手軽に行ける里山を特に雨のあとにのぞいて見るところから始めると良い。おそらくかなりの種類のきのこに出逢えて、四季の変化によってきのこの登場のクセまで知る事が出来る。遠い山へたまに出向くよりもいい事がたくさんある事を知って頂きたい。まさに灯台もとくらしなのである。ノートにきのこ日誌などつけて見るとデーターがいろいろ出来上がり、近所が畑のように整理されるだけでなく、きのこの発生の不思議なサイクルも見えて来て楽しい。袋をある程度用意して置き、なるだけ同種類を一ツにまとめておくと便利である。さて目標の決め方であるが、とにかく第一に量がなければつまらない。そこで群生するものや、大型のきのこ、たびたび発生するものを中心に覚えて見よう。最初はきっと混乱する事が多い、と言うのは同じきのこでも幼菌から成長した姿、老菌とかなり見た感じに変化がある。又、発生する場所によっても異なる事もある。そこで手に取って特徴を良く観察する目が大切になるが、そのポイントをいくつか上げて見よう。まず地上に発生するものと木株、倒木等に発生するものを区別する。次に引き抜く前に、根本を良くチェックしておこう。ツボの有無、茎が細長く地中に伸びてないか、等。傘は色、粘性(乾いて消えるのもあるので濡らしてみる)の有無、鱗片、いぼ、環文(同心紋)条線(溝線)、斑紋、繊維紋、(これらは傘の表面に出る模様の個性)更にシワ状(ツエタケ・ショウゲンジ等)縁の膜片、表面の質(ビロード状・光沢)、又は傘の状態(縁が内に巻く、そる、全体が波打つ等)等の特徴をとらえる。
傘裏は色、ヒダ(厚さ・密生か疎か・連絡脈の有無・直生隔生離生湾生等の区別)管孔(大小の他にもいろいろな個性がある)を良く調べる。柄は色、長さ、太さ、中空か中実か、肉質(モロい・繊維質等)表面の状態、ツバの有無、全体の形(根本が太まるか細まるか、等経か・球根状・便腹状・根状等)等をチェックしておこう。更に傷をつけて見て変色性はどうか、乳液の有無とその色や変化を観察する。少しかじって見て味とにおいも確認、苦みや辛み、甘みや渋み、酸味等を調べる。この場合すぐ吐き出せば例え毒キノコでも問題ないが、気になる時は水でうがいをしておこう。このようにいろいろな特徴を良く観察しながら、正しい同定をする事が大切である。